■2015年10月9日■
2015年カリフォルニア・レーズン ベーカリー新製品開発コンテスト 入賞者によるアメリカ研修旅行
カリフォルニア・レーズン協会は、「第24回カリフォルニア・レーズン ベーカリー新製品開発コンテスト」(6月19日、20日に最終実技審査を実施)の入賞者に贈られたアメリカ研修旅行を、9月4日(金)から13日(日)まで10日間の日程で実施いたしました。
この研修旅行は、コンテスト受賞者がカリフォルニア・レーズンについて理解を深め今後の製品開発に役立ててもらうことを目的に、1992年開催の第一回コンテストより毎年行っています。本年度も、日本のコンテスト入賞者11名に韓国、台湾、中国(香港を含む)、ドイツ、メキシコの各国で開催されたパン・菓子のコンテスト入賞者も加わり、各国協会事務所のスタッフを含め総勢39名の研修旅行となりました。
9月4日、日本と各国のグループはサンフランシスコ空港で合流し、ナパの米国料理界の生涯教育機関であるCIA (Culinary Institute of America) に向かいました。5日からの2日間は、ジョン・ディフィリッポ氏の「アメリカにおけるパンのトレンド」の特別講義を受け、フレズノでレーズン業界関係者に試食、振る舞われる入賞作品を慣れないCIAの設備で悪戦苦闘しつつ再現、いつもと違う環境で製作に挑戦できて楽しいという声も聞かれました。また、アメリカ乳製品輸出協会主催のアメリカンチーズを学ぶイベントに参加、アメリカ最初のプログラムを終えました。
左:ディフィリッポ氏の特別講義を聴講
右:CIAで製作した入賞作品とディフィリッポ氏を囲むメンバー
予定通りカリフォルニア・レーズンの故郷フレズノに移動した一行は、8日と9日の2日間、炎天下のなかぶどう畑とレーズン加工工場を視察。畑では、ぶどうを天日干しする作業工程のまさにピーク時で、手摘み収穫と機械収穫の天日干し、DOV(ドライ・オン・バイン/枝ごと天日干し)と全ての工程を見る事ができました。また、早朝のぶどう畑で開催された「ぶどう摘み取り大会」では、日本からの参加者が一位となり、農場主から「いつでも働きに来てくれ」と誘われていました。砂埃の舞う畑で汗にまみれながら、「この貴重な体験でレーズン生産の大変さが判った、勉強になった」といった感想が聞かれました。摘み取り作業の報酬として、ペーパートレイの枚数分の飲み物代が贈られました。また、工場では、天日干し乾燥後に集められたレーズンが最終製品となっていく工程を視察、参加者はカリフォルニア・レーズンに対する一層の理解を深めたようです。
8日の夜には恒例のカリフォルニア・レーズンの生産者やパッカーとの業界レセプションが開かれ、共通のレーズンをテーマに言葉の壁を乗り越え、現地生産者・加工業者と日本を含めた各国のコンテスト入賞者がそれぞれのテーブルで友好を深めていました。CIAで製作した入賞作品は、このレセプションで披露、試食されました。現地の生産者は、自ら生産したレーズンが各国の個性が生かされた美味しいパンになった事に感動、「アメリカでも同じようなパンが食べたい」、「日本のパンが一番美味しい」など至る所で賞賛を受けました。
フレズノでの滞在を終えた一行は10日にサンフランシスコへ移動。途中、チーズ工場と家畜農場を見学しました。翌日の自由行動日は、事前に調べていたベーカリー訪問やアルカトラズ島への観光など、各自思い思いの時間を楽しみ、カリフォルニア滞在最後の夜は大リーグを観戦しました。12日に予定していた復路のフライトがキャンセルとなり、日本への帰国が一日遅れるというハプニングがありましたが、旅程全体としては大きな問題はなく、無事に研修日程を終了しました。
この研修旅行は、製パンに携わる仲間作りができる貴重な10日間です。各国のグループと交流ができるだけではなく、旅行中には米国勤務の過去の入賞者が入賞作品を製作するCIAに駆けつけて手伝うなど、今回の入賞者は海外で活躍する仲間との交流が大いに刺激になり、それぞれに感激した様子で思いを語っていました。
研修旅行に参加した入賞者の作品は、コンテスト終了後に商品化が進められ、続々とカリフォルニア・レーズン新商品として発売されています。
受賞作品が次々と店頭へ
次々に商品化されている「第24回ベーカリー新製品開発コンテスト」受賞作品の状況は下記の通りです。
●ホールセール・コンビニエンス製品部門でカリフォルニア・レーズン大賞受賞の江口貴和子(えぐちきわこ)氏(敷島製パン)の「管理栄養士が作った1/3日分の鉄分がとれるレーズングラノーラ」は、11月10日よりJR東日本リテールネットのNEWDAYS・KIOSKで発売開始予定です(発売時の商品名は「Panestレーズングラノーラ」)。
●カリフォルニア・レーズン金賞ならびに消費者推薦賞受賞の飯田ふみ(いいだふみ)氏(神戸屋)の「レザン リモーネ 〜フルーツ餡のトライアングル〜」は、8月1日よりフレッシュベーカリー神戸屋の関東直営店で発売され、9月1日からは関西直営店でも販売中です。
●インストア・リテールベーカリー製品部門でカリフォルニア・レーズン大賞ならびに消費者推薦賞受賞の近藤 聡(こんどうさとし)氏(アンデルセン)の「ココナッツレーズン」は、9月18日より丸井溝口店で、また10月1日より広島アンデルセン店で販売しています。
●カリフォルニア・レーズン金賞受賞の山崎豊(やまざきゆたか)氏(神戸屋)の「フランボワーズ・ レザン 〜ヨーグルト仕立て〜」は、11月1日より神戸屋レストラン関西12店舗、関東31店舗で発売予定です。
●カリフォルニア・レーズン特別賞受賞の今井悠輔(いまいゆうすけ)氏(クラブハリエ ジュブリルタン)の「エキゾチック レザン」は7月29日〜8月3日に販売されました。2016年1月より、店舗と通信販売の詰め合わせで再販予定です。
●カリフォルニア・レーズン特別賞受賞の芳野健(よしのけん)氏(木輪(きりん))の「ジューシー モイスト レーズン」は、8月15日より 定番商品として販売中です。
●カリフォルニア・レーズン特別賞受賞の伊藤まどか(いとうまどか)氏(パレ・ド・パン)の「クグロフ・アントワネット」は、11月1日より2ヶ月間、ポンパドウル全84店舗で販売予定です。
●アメリカ産チーズ部門でアメリカンチーズ大賞受賞の大下福朋(おおしたふくあき)氏(ドンク)の「レーズンと黒米のチーズブレッド」、および消費者推薦賞受賞の松木崇至(まつきたかし)氏(ドンク)の「アロマティック・トルデュ・レザン 〜純米本みりん仕立て〜」は、ボージョレヌーボーの時期(2015年11月)に合わせて発売予定です。
●アメリカンチーズ金賞の石毛嘉一(いしげよしかず)氏(神戸屋)の「フロマージュ レザン(はちみつの香りとあわせて)」は、11月1日より神戸屋レストラン 関西12店舗、関東31店舗で発売予定です。
他受賞作品も、今後の発売に向け準備中です。販売予定が決定次第、協会のEニュースやメールマガジンにて業界および消費者に案内していきます。